むくデンタルクリニック (むく歯科医院)

       
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2024.01.23

インビザラインの治療期間の平均は?予定どおりに終わらせるためには

インビザラインをする女性

インビザラインでは透明なマウスピースを使用するため、口元が目立ちません。手軽に歯並びを整えられると人気の治療法です。

インビザラインの平均的な治療期間は2~3年といわれていますが、マウスピースが管理できていなければこの期間よりも長くかかることも珍しくありません。

ここでは、インビザラインの平均的な治療期間と予定通りに終わらせるための5つの方法について解説しています。インビザラインの治療期間が延長する原因もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

インビザラインのマウスピース

インビザラインとは、マウスピースを1日20~22時間以上装着することで歯並びを整える矯正治療のことです。患者様の歯並びに合わせてオーダーメイドでマウスピースを作成し、形の違うマウスピースを何枚も使用することで少しずつ歯を移動させます。

インビザラインで使用するマウスピースは、透明かつ歯のラインに合わせてデザインされます。口元が目立たず、見た目が美しいことがメリットでしょう。

また、マウスピースを1~2週間ごとに交換することで徐々に歯を動かすため、ワイヤー矯正よりも違和感や痛みが出にくいといえます。インビザラインは、矯正治療中の見た目が気になる方や痛みに弱い方などから選ばれている治療方法です。

インビザラインの治療期間の平均は?

インビザラインの治療期間のイメージ

インビザラインの治療期間は、平均で2~3年程度といわれています。

マウスピースと歯が密着することで歯を動かしますが、1枚のマウスピースで動かせる歯1本あたりの距離は、最大でも0.25mmです。マウスピースを1~2週間ごとに交換して治療を進めますが、1か月で最大でも1mm程度しか動かせないのです。

そのため、インビザラインで全体の歯並びを整える際は、平均して約2~3年という長い期間がかかります。長いと感じるとは思いますが、ワイヤー矯正にかかる期間も約2~3年といわれているため、インビザラインの治療期間が特別長いわけではありません。

ただし、インビザラインにかかる治療期間はお口の状態によって異なります。歯並びの乱れが軽度の場合、半年以内で治療が終わることもあるでしょう。

また、歯を動かした後は、保定期間という歯の位置を固定する期間が必要です。保定期間にかかる期間は矯正期間にかかった期間と同じくらいといわれており、平均して1~2年程度はかかるでしょう。

インビザラインの治療期間に差があるのはなぜ?

インビザラインの治療期間に疑問がある女性

インビザラインの治療期間は、お口の状態によって異なります。インビザラインはさまざまな症例に対応できる治療ですが、歯を大きく移動させるのが苦手といわれています。

そのため、以下のような症例は平均的な治療期間よりも長くなりやすいでしょう。

  • 歯並びの乱れが重度な症例
  • 抜歯が必要な症例

歯が重なり合っている部分が多くある、前歯が大きく前方に突出しているなど、歯並びの乱れが重度な症例では、治療期間が長くなる傾向にあります。これらの原因の多くは、顎が小さく歯を並べるスペースが足りないことです。

歯を並べるスペースが足りずに本来歯が並ぶ位置から大きく外れると、歯を移動させる距離や本数が多くなるため、治療期間が長くなりやすいのです。

また、抜歯が必要な症例も治療期間が長くなるでしょう。抜歯をすることで効率的に歯並びを整えられますが、歯を移動させる距離が長くなるためです。

また、インビザラインは歯を引っ込める動きは得意といわれていますが、横方向の移動は苦手といわれています。歯を横方向に動かさなければならない場合も、治療期間が長くなる傾向にあります。

インビザラインの治療期間が延長になることはある?

虫歯の男性

インビザラインは、患者様自身でマウスピースを管理する必要があります。以下のような場合、治療期間が延長する可能性があるでしょう。

マウスピースの装着時間を守れていないケース

インビザラインは、ご自身でマウスピースを取り外しできることがメリットです。

しかし、マウスピースの装着時間が守れていなければ治療期間が延長することがあります。1日の装着時間は20~22時間とされていますが、着脱回数が多ければ装着時間が20時間に届かないこともあるでしょう。

また、装着時間が短い日が続くと歯が後戻りし、マウスピースが入らなくなる場合もあります。マウスピースをどれだけ装着していたかで治療の仕上がりに差が出ますので、マウスピースの装着時間を守ることが大切です。

虫歯や歯周病の治療が必要になったケース

治療前に精密検査を行い、お口全体を診察します。治療前に虫歯や歯周病が見つかった場合、虫歯・歯周病の治療を完了させてからインビザラインを始めるのが一般的です。

しかし、インビザラインの治療中に虫歯や歯周病になることもあるでしょう。その場合は、優先して虫歯・歯周病の治療をしなければなりません。

特に、詰め物や被せ物の型取りが必要になる虫歯治療の場合、治療によって歯の形が変わるでしょう。あらかじめ用意していたマウスピースが入らなくなることがあります。

新たにマウスピースの作成が必要になるため、平均的な治療期間よりも長くなる可能性が高いです。

治療途中にマウスピースを紛失・破損したケース

インビザラインは、食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外す必要があります。つけっぱなしではないので、マウスピースを紛失・破損するケースがあります。

特に、外出先などで食事する際、ティッシュで包んだりポケットに入れたりする方が多いです。マウスピースを破損・紛失しやすいので注意してください。

マウスピースはやわらかい素材でできているため、強い力がかかると変形・破損しやすいといえます。マウスピースの再作成が必要になりますが、出来上がりまでは1ヵ月程度かかるといわれています。

マウスピースが届くまでの間は治療が進まないため、平均的な治療期間よりも長くかかるでしょう。

リファインメントが必要になったケース

インビザラインでは、治療前の精密検査により、歯の移動過程や治療期間、費用などをシミュレーションによって確認できます。

しかし、治療を始めてみるとシミュレーション通りに治療が進まないことはあります。事前に用意したマウスピースだけでは、歯並び・噛み合わせが整わないケースがあるのです。

治療がシミュレーション通りに進まない原因は、マウスピースの装着時間が守れていなかったり、適切な時期にマウスピースを交換していなかったりすることです。マウスピースの管理ができていても、歯の移動速度が想定より遅い場合もあるでしょう。

緻密な治療計画を立てていても、実際治療を始めてみるとシミュレーションと歯の動きに差が出ることがあるのです。この差を無くすためにマウスピースを追加することを、リファインメントといいます。

シミュレーションよりもマウスピースの枚数が多くなるため、当初の予定よりも治療期間が長くなるのです。リファインメントすることによってよりよい歯並びに近づけますので、必要な過程といえるでしょう。

インビザラインでの治療を予定どおりに終わらせるためには

インビザラインのマウスピースを装着

インビザラインは、治療前にシミュレーションによって治療期間を把握できます。

しかし、マウスピースの装着時間や装着方法を守ることが前提であるため、マウスピースの管理ができていなければ治療期間が長くなるでしょう。インビザラインの治療期間を延長させないためには、以下の5つのポイントに気を付けてください。

マウスピースの装着時間を守る

マウスピースを1日20~22時間以上装着することを前提に治療計画が立てられています。1日の中で着脱回数が多い、マウスピースをつけ忘れたなど、装着時間が20時間に満たない日が続くと歯がスムーズに動きません。

食事や歯磨きの際に取り外しできるのがメリットではあるものの、マウスピースの装着時間をご自身でしっかり管理することが大切です。

マウスピースを正しく装着する

マウスピースの力が歯全体にかかることで歯並びが整えられるため、マウスピースを正しく装着することが大切です。マウスピースが浮いたりズレたりしていると、間違った方向に歯が動くこともあるでしょう。

マウスピースと歯が隙間なく密着するように正しく装着してください。特に、新しいマウスピースを装着した際は、マウスピースがズレやすいといわれています。

マウスピースを装着する際は、チューイーを使用することが推奨されています。奥歯から前歯まで順番に噛み、しっかりと装着しましょう。

お口の中を清潔に保つ

インビザラインでは、食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外すため、虫歯や歯周病になりにくいといわれています。

しかし、歯磨きがきちんとできていなければ、虫歯や歯周病になることがあります。歯ブラシで全体を丁寧に磨くことはもちろん、歯間ブラシやフロスなども使用しましょう。

歯と歯の間の磨き残しを、できるだけ失くすように心がけてください。歯と歯が重なっている箇所や歯と歯茎の境目、歯の裏側などは、タフトブラシを使用するとしっかり磨けます。

マウスピースはケースに入れて保管する

インビザラインのマウスピースはやわらかい素材でできています。きちんと管理できていなければ、変形・破損して作り直しが必要になる場合があります。

外出先でマウスピースを取り外した際に紛失する方も少なくありません。新しいマウスピースが出来上がるまでは治療を進められないため、適切に保管することが重要です。

決められた頻度で通院する

インビザライン治療中の平均的な通院頻度は、1~2ヵ月に1回です。定期的な通院では、歯が予定通りの位置に移動しているか、マウスピースを正しく装着できているか、虫歯や歯周病がないかなど、全体的にお口の中を確認します。

シミュレーション通りに治療がすすんでいない場合でも、定期的に通院すれば迅速に対応できるでしょう。歯科医師に指定された頻度で通院することが大切です。

インビザラインをシミュレーション通りにすすめるためには、定期的な通院が欠かせません。忘れずに通院しましょう。

まとめ

インビザライン治療をする女性

インビザラインの平均的な治療期間は、約2~3年といわれています。

ただし、インビザラインの治療期間には個人差があります。さまざまな症例に対応できる治療ですが、歯並びの乱れが重度な症例や抜歯が必要な症例の場合、平均的な治療期間よりも長くかかりやすいです。

また、インビザラインは患者様自身でマウスピースを管理する必要があります。マウスピースの装着時間が守れていないケースやマウスピースを紛失・破損したケースでは、治療期間が延長になるでしょう。

実際の治療期間は歯科医師が判断します。詳しく知りたい場合は問い合わせるとよいでしょう。