むくデンタルクリニック (むく歯科医院)

       
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Clinic blog

2024.09.03

歯周病は全身疾患を招く?関連する病気やリスクを徹底解説!

歯周病になった人

「歯周病が原因で他の病気になることがあるって本当?」と疑問に思っていませんか。歯周病は、歯の健康だけでなく全身の様々な病気と関係があります。たかが歯周病と油断していると、重篤な病気につながるかもしれません。

本記事では、歯周病と全身疾患の関連性や、歯周病の予防方法などについて解説していきます。歯周病による全身疾患が心配な方や、歯周病の効果的な予防法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは

歯周病イメージ

歯周病とは、口の中で細菌が繁殖して炎症を起こす病気であり、歯を失う最も大きな要因です。歯周病になると、歯茎の腫れ、出血、痛みなどの症状が現れます。

炎症を起こす原因は蓄積したプラーク(歯垢)です。歯磨きが不十分で食べカスが歯に付着したままになるとプラークとなり、歯茎が炎症を起こして歯周病を引き起こします。

歯周病が進行すると歯と歯茎の間に溝ができ、徐々に深くなって歯がぐらつき始めるでしょう。最終的には歯が抜け落ちるのです。

歯周病は全身疾患を招く?

歯周病は全身疾患を招くかイメージ

冒頭でもお伝えしましたが、歯周病は体全体の様々な病気と関わりがあります。歯の病気といえば虫歯や歯周病など身近なものが多いため、あまり重大な病気につながるイメージはないかもしれません。

しかし、歯も体の一部です。歯の不調は体の不調につながるのです。重症化した歯周病は、全身の疾患にかかわります。

歯周病が心臓と脳に与える影響

心臓が痛い男性

脳や心臓の病気と聞くと大袈裟に感じるかもしれませんが、歯周病は脳や心臓の病気と関係があります。なぜなら、歯周病は動脈硬化や高血圧を引き起こすからです。

具体的に関連のある病気としては、心筋梗塞や脳梗塞が挙げられます。心臓や脳の血管に血栓(血の塊)が詰まって血流が止まる病気です。

歯周病菌の刺激により動脈硬化を誘導する物質が産生されると、血管内にプラーク(脂肪性の沈着物)が溜まります。血管内にプラークが貯まることで血液が流れる通り道が細くなるため、血流が悪くなって血栓が詰まりやすくなるのです。

また、歯周病菌が血流にのって心臓へ到達すると、感染を起こして心内膜炎になる可能性があります。

歯周病と糖尿病の関連性

糖尿病でインスリン注射をしている人

歯周病で歯茎に炎症が起こると、炎症を抑えようとして発生する様々な物質が血管を通して全身に送られます。これらの物質は、インスリンの効果を弱める働きがあります。

インスリンは血糖値を下げる働きをしており、インスリンの効果が弱まると血糖値の上昇を抑えられず糖尿病を悪化させます。また、糖尿病に患っていると血行が悪くなるため、歯茎の炎症の改善に時間がかるのです。

このように、歯周病と糖尿病はお互いに悪影響を与えあう可能性があります。特に、メタボリクシンドロームの方は動脈硬化が進み、血糖値が上がりやすい状態になっていると考えられるため、より歯周病の影響を受けやすいでしょう。

歯周病と妊娠の関連性

妊娠している女性

女性の場合、妊娠すると歯周病になりやすいと言われています。なぜなら、妊娠すると女性ホルモンであるエストロゲンが増加するからです。

エストロゲンは歯周病菌を増殖させることがあるため、エストロゲンが分泌されると歯周病を発症するリスクが上がります。このように、妊娠によって引き起こされる歯茎の炎症を妊娠性歯肉炎と言います。

妊娠中ではなくても、生理周期の影響で女性ホルモンが分泌されたときに歯周病になることもあります。

また、妊娠中に歯周病になると、低出生体重児や早産のリスクが高まります。生まれてくる赤ちゃんのためにも、妊娠前に歯周病を治しておいたほうが良いでしょう。

歯周病と誤嚥性肺炎の関連性

肺炎イメージ

食べ物は、口の中で噛んで飲み込んだ後、食道を通って胃に送られます。

しかし、高齢になると飲み込む力が弱くなり、飲み込んだものが誤って気管に入る場合があります。異物が気管に入ると、その先につながっている肺で炎症を起こします。これが誤嚥性肺炎です。

歯周病の方が食べ物を食べたときに誤って気管に入り込んだ場合、食べ物だけでなく歯周病菌も一緒に気管に入ります。そのため、肺が感染して炎症を起こしやすいのです。

歯周病と骨粗鬆症の関連性

骨粗鬆症イメージ

骨粗鬆症になると歯周病を発症しやすくなります。骨粗鬆症とは、骨の密度が低下して脆くなる病気です。加齢や女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下などがきっかけで発症します。

骨粗鬆症の方の骨は内部がスカスカになっているイメージで、耐久性がありません。健康な人と比較すると、骨折するリスクが高いです。

歯は歯槽骨という歯を支える役割をしている骨によって固定されています。骨粗鬆症になると歯を支えている歯槽骨も弱くなるため、歯が抜け落ちる恐れがあるのです。

歯周病を予防・改善する方法

歯周病予防の為歯磨きをしている女性

歯周病と全身のさまざまな病気との関連性について解説してきました。歯周病が全身にさまざまな影響を及ぼすことは伝わったのではないでしょうか。「歯周病の予防法・改善法を知りたい」と感じた方も多いでしょう。

ここからは、歯周病にならないための予防策や、すでに発症している歯周病を改善するための具体的な方法をについて解説していきます。

  • 毎日の歯磨きを丁寧に行う
  • 電動歯ブラシを活用する
  • 禁煙する
  • 間食を避ける
  • 定期検診を受ける

それぞれ順番に解説してきます。

毎日の歯磨きを丁寧に行う

毎日の歯磨きを丁寧に行うのが、最も有効な歯周病予防の方法でしょう。磨き残しによって食べカスなどの汚れが口の中に残ることが、歯周病の根本的な原因なためです。

磨き残しがなく口の中を清潔に保つことができていれば、歯垢が形成されることはないため歯周病を予防できます。

歯ブラシで1本ずつ歯を磨くよう、丁寧に歯磨きを行いましょう。歯ブラシと合わせて、歯間ブラシやデンタルフロスを活用すると、より効果的に歯周病を予防できます。

電動歯ブラシを活用する

電動歯ブラシの力を借りて歯磨きをすると、効率よく口内の汚れを除去できます。丁寧な歯磨きが大切だとわかっていても、毎日行うのは面倒に感じる方もいるでしょう。仕事や育児などで忙しく、十分に口腔ケアの時間を確保できない方も少なくありません。

電動歯ブラシなら、ブラシの高速回転や振動によって効率よく磨けます。また、人の手では落としきれない歯の表面に付着した汚れも除去できるでしょう。

フッ素が配合された歯磨き粉を合わせて使えば、口腔トラブルの予防に役立ちます。

禁煙する

喫煙は、歯周病を引き起こす原因のひとつです。すでに歯周病にかかっている場合は、症状改善の妨げにもなります。タバコに含まれるニコチンやタールなどの有害物質は、血管を収縮させて歯茎の血行不良を引き起こすためです。

血行が悪くなると歯茎の炎症回復に必要な栄養素が行き届きにくくなります。また、歯の表面にヤニが付着して摩擦が生じるため、汚れや細菌を絡めとって不潔になりやすいです。

歯周病を予防・改善したいのであれば、禁煙しましょう。どうしても禁煙が難しい場合は、まずは本数を減らすことを目指してみてください。

間食を避ける

歯周病を予防するには、間食を避けることも効果的です。食事以外の時間もダラダラ食べ物を口にしていると、口の中に汚れがある状態が長く続きます。常に食べカスが口の中に残っていると、歯周病を発症しやすい口腔環境になるのです。

できれば間食は避けて、食べる時間と食べない時間を区別して過ごしましょう。食後は、必ず歯磨きを行ってください。

定期検診を受ける

定期的に検診を受けることも、歯周病予防として効果的です。歯や歯茎の異常がないかを調べるだけでなく、適切なブラッシングの仕方を教えてもらえたり、必要な治療につなげられたりするためです。

歯石の除去などもできるため、白く美しい見た目を保ちながら歯の健康をも守れるでしょう。

まとめ

歯周病が治り健康な歯の女性

本記事では、歯周病と全身疾患の関連性や、歯周病の予防法などについて解説しました。歯周病が全身の病気と関係するとは思っていない方も多かったかもしれません。

しかし、油断していると脳や心臓などの重篤な病気につながる可能性があります。ぜひ本記事でご紹介した予防方法を日常生活のなかに取り入れ、健康で美しい歯を維持していきましょう。

むくデンタルクリニックは、保険診療だけでなく自由診療(成人・小児の矯正治療、ホワイトニング、インプラントなど)にも対応しています。ホームページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。