むくデンタルクリニック (むく歯科医院)

       
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Clinic blog

2024.08.13

歯周病と糖尿病は関係がある?改善方法・歯科での基本的な治療内容

歯周病で歯が痛い女性

歯周病と糖尿病は、実は関係が深い病気であることをご存じでしょうか。歯周病の悪化が糖尿病の悪化につながることもあるほど、密接に関わり合っています。

今回は、歯周病と糖尿病の関係性を説明し、歯周病の治療がどうして糖尿病の治療につながるのかを解説します。また、歯周病を改善するためのセルフケア方法や、病院で行う歯周病の治療についても紹介します。

歯周病と糖尿病の関係性

歯周病イメージ

歯科の2大疾患の一つである歯周病は、多くの人たちが歯を失う原因です。歯肉から血がでるなど歯茎の炎症から始まり、さらに進行すると歯茎から膿が出始めます。最終的には歯を支える骨である歯槽骨を溶かし、歯がグラグラして抜け落ちることもあるでしょう。

歯周病の原因は、細菌といわれています。食後に歯磨きをしっかり行ってないことで歯垢が増えていき、その中でさらに細菌が繁殖します。歯科医院でお口のクリーニングを受けるなど、適切なケアを受けない限りはどんどん悪化するでしょう。

糖尿病は、生活習慣病の一種です。インスリンの働きが十分ではなくなるため、血糖を細胞に取り込めなくなり、糖が血液中にあふれる病気です。

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病がありますが、中高年以上に多い2型糖尿病は、自覚症状がほとんどなく健康診断をしなければ気づきにくいです。長期化して進行すると、さまざまな合併症を引き起こすことも大きな特徴です。

動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中、糖尿病性網膜症による失明など、命に関わる大きな病気が糖尿病の合併症として挙げられます。

歯周病も生活習慣病といわれることもありますが、糖尿病と関連が深いことが近年明らかになってきました。歯周病自体が、糖尿病の合併症であるとも言われています。

糖尿病を患っている方は、歯周病の進行が早くなります。歯周病が悪化することで抜歯や外科手術などの治療を余儀なくされることもありますが、糖尿病の方は傷の治りが悪いので、その後の治療にも悪影響を及ぼします。

糖尿病の管理の一環として、歯周病を治療することが重要という考え方が、現在では医科領域でも浸透してきています。

歯周病を治療すると糖尿病の改善が期待できる

糖尿病イメージ

歯周病と糖尿病は関係性が深い一方、歯周病の治療をしっかり行うことが糖尿病の改善につながることも明らかになってきました。

歯周病が悪化すると出血や排膿など、炎症による症状が現れますが、炎症を起こしている歯周ポケットからはそれに関連する化学物質が血管に放たれます。放たれた化学物質が血糖値を下げる役割をするインスリンの働きを阻害するため、糖尿病も悪化しやすくなります。

血糖値が上がる原因は歯周病だけではありませんが、歯周病がその一因であることは明らかです。そのため、歯周病を治療して歯肉の炎症をコントロールすれば、血糖値をコントロールすることにつながります。

しかし、すべての症例において、歯周病の治療が血糖値改善につながるわけではありません。個人差があるので、血糖値のコントロールにも注意を払う必要があります。

歯周病を改善する方法

歯磨きをしようとしている女性

歯周病を予防し少しでも改善していくためには、日ごろからのケアも重要です。ご自宅で行えるセルフケア方法をご紹介します。

正しい方法で歯みがきを行う

歯周病の原因は、磨き残しにより歯垢が歯に残り、歯垢の中で歯周病の原因菌が繁殖することです。そのため、歯周病になりやすい方は、毎日の歯磨きの方法を見直す必要があるでしょう。

まず、歯ブラシは歯茎を傷つけないように、普通か柔らかめの毛先のものを選んでください。歯ブラシは清潔に保つことが大切で、毛先が広がっているとブラッシングの効果が低くなるので1ヶ月に1回交換しましょう。

ペンを持つ時のように軽く握り、毛先を小刻みに動かして1本1本を丁寧に磨いてください。磨きにくい箇所は鏡を使って磨くとよいでしょう。

自分に合ったブラッシングの方法や歯みがきの方法が分からない方は、歯科医院のブラッシング指導を受けましょう。

歯磨き粉の選び方

歯磨き粉については、歯茎の腫れや出血、炎症のある方は、それらを抑える成分が配合されたものを選んでください。

グリチルリチン酸、トラネキサム酸(TXA)、ビタミンE(酢酸トコフェロール)などが配合されたものを選ぶと良いでしょう。歯周病菌を殺菌する薬用成分としては、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化セチルピリジニウム(CPC)などが挙げられます。

デンタルフロスや歯間ブラシを使用する

歯ブラシだけでは磨きにくい歯と歯の間をケアするために、デンタルフロスや歯間ブラシを使用しましょう。歯と歯の間をケアすることにより、歯茎からの出血など、歯周病の初期症状に気づけることもあります。

デンタルフロスや歯間ブラシは、毎回の食後の使用は難しいかもしれません。最低でも1日1回、就寝前に使用しましょう。

デンタルリンスを使う

唾液の分泌が少なくなることにより、就寝中は細菌が繁殖しやすくなります。ブラッシングだけではなく、細菌の増殖を抑制するデンタルリンスを使用すると良いでしょう。

生活習慣を見直す

歯周病の進行は、生活習慣とも関連しているといわれています。例えば、血行が悪くなって栄養や酸素が行き渡らなくなると、免疫力も低下します。そのため、喫煙は歯周病を進行させるとされており、できる限り禁煙することが望ましいです。

また、ストレスを溜めないようにリラックスできる時間を作ったり、趣味を楽しんだりすることもよいでしょう。栄養バランスの良い食生活を心がけることも大切です。

定期的に歯科検診を受ける

歯周病を予防するためには、自宅でのケアだけではなく、歯科医院でのメンテナスも大切です。歯周ポケット内の歯垢や歯石の除去や、セルフケアについてのアドバイスも行います。

歯周病の基本的な治療内容

治療を受けている患者

歯周病の治療は、歯周病の原因である細菌をできる限り減らすことが重要です。進行具合によって治療方法は違いますが、この点は常に変わりません。

まず、どの程度歯周病が進行しているか確認するために、歯周ポケットの深さを計測する検査や、歯の揺れ具合を図る動揺度検査を行います。

歯周病であると診断された場合、歯周基本治療を行います。専用の機器を使って、歯周ポケット内のプラークや歯石を除去します。歯垢や歯石が多い場合は1日で終わらず、数回通院が必要なケースもあります。

歯周病が進行している場合は、歯周基本治療を行っても改善が見込めません。この時は、歯周外科治療を行います。

歯周外科治療では、歯茎を切開した上でプラークや歯石を除去します。また、歯周病の進行によって溶かされて失われた顎の骨や歯根膜などの歯周組織を再生させる、歯周組織再生療法を行うこともあります。

まとめ

健康な人の歯

歯周病も糖尿病も日ごろの生活が深く関わっている病気です。毎日の生活の中で、地道なケアを続けていくことが大切です。

歯周病も糖尿病も、病気の原因となる習慣の積み重ねにより、気づくと病気になっているという方が多いでしょう。そのため、早いうちに病気を防ぐために定期検診を欠かさないようにしましょう。

歯科医院での定期検診については、患者さまのリスクによって頻度は違います。一般的には3ヶ月〜6ヶ月に1回が目安です。お口のクリーニングを定期的に受けると、歯周病の原因となる歯垢も付着しにくくなります。

むくデンタルクリニックは、保険診療だけでなく自由診療(成人・小児の矯正治療、ホワイトニング、インプラントなど)にも対応しています。ホームページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。