むくデンタルクリニック (むく歯科医院)

       
RESERVE

Clinic blog

2024.09.17

小児矯正の代表的な種類を徹底紹介!それぞれのメリット・デメリット

矯正をする子ども

小児矯正には、さまざまな種類の矯正装置があります。「デメリットはあるの?」「費用はいくら?」など、気になることも多いのではないでしょうか。

この記事では、小児矯正の代表的な矯正装置の種類と特徴、それぞれの費用について解説します。お子さまの矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

小児矯正の目的

歯の検査を受ける子ども

小児矯正の目的は、早期に歯並び・噛み合わせを改善して、将来の口腔トラブルを未然に防ぐことです。小児矯正は、1期治療と2期治療に分けられます。

1期治療の目的は、永久歯を並べる土台を整えることや、口周りの悪習癖を改善することなどです。子どもの成長を利用して上下の顎のバランスを整え、理想的な位置に永久歯が生えるようにコントロールします。

2期治療の目的は、生え揃った永久歯をきれいに並べることです。大人の矯正治療と同じで、2期治療のみ行うことも可能です。

しかし、1期治療から小児矯正を開始することで、抜歯を回避しながら永久歯の並ぶ位置をコントロールできる可能性が高まります。そのため、より効率的に矯正治療をすすめたい場合は、子どものうちから治療を開始するのがよいでしょう。

小児矯正の種類

矯正器具を持つ子ども

小児矯正の装置は、可撤式矯正装置・固定式矯正装置・顎外矯正装置の3種類に大きく分けられます。どの矯正装置も1期治療で使用するもので、3~12歳のお子様が対象です。

ここでは、それぞれの矯正装置の特徴について詳しく解説します。

可撤式矯正装置

可撤式矯正装置とは、取り外し可能な矯正装置のことです。食事や歯磨きの際に取り外せるので、矯正装置に食べ物が挟まらず歯磨きがしやすく、虫歯や歯周病のリスクが低いのがメリットです。

ただし、矯正装置を付けていなければ効果を発揮しないため、装着時間の管理をする必要があります。お子さんが付けるのを嫌がると、効果が出にくいでしょう。

可撤式矯正装置の種類は、以下のとおりです。

拡大床

拡大床とは、顎の横幅を広げるための矯正装置です。上下の顎のバランスが悪い場合や、歯が生えるスペースが足りない場合に装着します。

バイオネーター

バイオネーターとは、上顎が大きすぎたり下顎の成長が不足していたりすることが原因で、上顎が前に出ているお子様を対象とした矯正装置です。ワイヤーとプラスチックでできており、ネジで装置の幅を調整して力を加え、下顎の成長をコントロールします。

リップバンバー

リップバンバーとは、下顎の歯列を拡大することを目的にした矯正装置です。唇の前にパッドがあり、パッドが唇を押す力によって奥歯を後方に動かします。

奥歯を後方に移動させることで歯と歯の間に隙間ができ、歯並びや噛み合わせを効率的に整えられるようになります。

ムーシールド

ムーシールドとは、受け口のお子様を対象にした矯正装置です。マウスピースのような形をしており、装着することでお口周りの筋肉を鍛え、顎のバランスを整えます。

プレオルソ

プレオルソとは、舌やお口周りの筋肉を鍛え、土台となる顎の成長を促す上下一体となったマウスピース型の矯正装置のことです。

主に永久歯に生え変わる前までの子どもが対象で、ポリウレタンで作れられているので柔らかく、装着時の痛みがありません。マウスピースの装着時間は就寝時間と日中1~2時間なので、負担が少ないでしょう。

マイオブレース

マイオブレースは、永久歯が生えそろう前からマウスピースを装着して、歯並びに影響する悪い癖を改善する矯正装置です。顎の発育や、正しい呼吸・飲み込み方を導きます。シリコン素材でできており柔らかいので、装着の違和感が少ないです。

装着時間は就寝時間と日中1時間程度なので、お子様の負担になりにくいのがメリットです。

インビザライン・ファースト

透明なマウスピースを使用して、歯列の拡大と歯並びの調整を行う治療法です。通常、顎の骨の成長を促す治療と、歯を移動させて歯並びを整える治療は、別で行う必要があります。

しかし、インビザライン・ファーストでは2つの効果を同時に得られるため、治療期間を短縮できる可能性があります。

固定式矯正装置

固定式矯正装置とは、取り外しができない矯正装置のことです。固定式のため、装置の種類によっては目立つこともあるでしょう。

装着時間を管理する必要はないものの、虫歯や歯周病のリスクが高くなるのがデメリットです。

急速拡大装置

急速拡大装置とは、上顎の幅を広げるための矯正装置です。歯列を広げるのではなく、骨ごと横幅を広げるため効率的に歯を並べるスペースを確保できます。

急速拡大装置は、子どもの成長期を利用して顎の横幅を広げるので、上顎の成長が止まる8~12歳までに使用するのがよいでしょう。

クワドヘリックス

クワドヘリックスとは、上顎の拡大に使われ、奥歯に器具を固定して歯列を動かす装置です。歯の位置をずらしてスペースを確保するため、抜歯しなくても歯並びを矯正しやすくなります。

リンガルアーチ

リンガルアーチとは、主に受け口を改善するための矯正装置のことです。左右の奥歯を支えにして前歯の裏側に装着することで、受け口を改善します。

また、生え変わりや虫歯などで乳歯を早い時期に失った場合に、永久歯が生えてくるまでのスペースを維持する役割もあります。リンガルアーチは歯の裏側に装着するため、見た目が目立つことはありません。

しかし、舌に当たりやすいため、滑舌が悪くなったり違和感が出たりすることがあるでしょう。歯磨きがしにくいのもデメリットの1つです。

タングガード

タングガードとは、舌で前歯を押さないようにするための装置です。舌癖があると、舌の力が歯にかかって前歯の歯並びが悪くなります。

タングガードを装着することで舌を正しい位置に導き、舌癖の改善を促す効果があります。

顎外固定式装置

顎外固定式装置とは、頭や顎などお口の外に装着する矯正装置のことです。ヘッドギアなどを装着しなければならないため、お子様によってはわずらわしさを感じることがあるでしょう。

しかし、顎の成長を効率的にコントロールできるため、骨格が原因である受け口や出っ歯の治療に効果的です。

上顎前方牽引装置

上顎前方牽引装置とは、上顎骨を前方に成長させる矯正装置のことです。お口の中にあるフックと、フェイシャルマスクについているフックをゴムで繋いで牽引し、上顎の成長を促します。主に、受け口の矯正に使用されるでしょう。

チンキャップ

チンキャップとは、下顎の成長を抑制させる矯正装置のことです。頭にかぶった装置につながったカップを下顎に取り付けることで、下顎に力をかけて成長を抑え、上下の顎のバランスを整えます。

ヘッドギア

ヘッドギアとは、上顎が成長しすぎていることが原因で出っ歯になっている場合などに使用される矯正装置です。

装置についたフェイスボウを口腔内に差し込み、ヘッドキャップやネックパッドを装着することで、上顎の成長を抑制します。力のかかる方向や力加減をかえると、上の奥歯を後方に動かすことも可能です。

小児矯正のメリット

小児矯正のメリットイメージ

小児矯正をすることによって得られるメリットは、以下のとおりです。

  • 顎の成長をコントロールできる
  • 虫歯や歯周病を予防できる
  • 抜歯を回避できる可能性が高まる
  • 二期治療の期間短縮
  • 悪習癖の根本的解消

小児矯正は、子どもの成長を利用した矯正治療です。そのため、大人の矯正治療とは違って永久歯が生えるスペースを確保し、理想的な位置に歯が並ぶようコントロールできます。

永久歯が生える土台を整えることは、成長期である子どもの頃にしかできません。小児矯正の最大のメリットといえるでしょう。

歯並びが悪ければ磨き残しが多くなるので、虫歯や歯周病のリスクが高まります。噛み合わせが悪ければ、顎関節や顎の骨に負担がかかり、顎関節症を発症することもあるでしょう。

早期に小児矯正をスタートすることで、虫歯や歯周病、顎関節症などのトラブルを未然に防ぎ、お口の健康を守れるのは大きなメリットです。

大人になってからでも矯正治療は可能ですが、歯を並べるスペースが足りない場合、健康な歯を削ったり抜いたりしなければなりません。小児矯正では顎の成長を利用してスペースを確保するため、健康な歯を傷つけることなく治療できる可能性が高まるのです。

二期治療が必要になった場合でも、永久歯が並ぶスペースを確保できているため、治療期間が短くなる傾向にあるでしょう。

また、小児矯正では矯正装置を付ける治療だけでなく、お口の周りの筋肉を鍛えるトレーニングも行います。歯並びを悪くする舌癖やポカン口、口呼吸などを根本的に解消でき、矯正治療で整えた歯並びを持続する効果も期待できます。

小児矯正のデメリット

小児矯正のデメリットイメージ

小児矯正にはデメリットも存在します。主なデメリットは、以下のとおりです。

  • 保護者のサポートが必要不可欠
  • 矯正中は虫歯のリスクがある
  • 治療期間が長くなる場合がある

可撤式矯正装置や顎外固定式装置の場合、矯正装置を付けなければ効果が発揮されません。

特に「装置に違和感があり付けたくない」「装置を付け忘れる」などの場合、治療がうまく進まないことがあります。そのため、お子さんに小児矯正の必要性を理解していただき、保護者が協力して治療をすすめることが大切です。

また、固定式矯正装置の場合、装置が取り外せないため磨き残しが発生し、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります。毎食後の歯磨きや定期的な歯科検診を怠らないようにしましょう。

小児矯正では、1期治療で永久歯が生え揃うまでに土台を整え、永久歯が生え揃ったら2期治療に移行するのが一般的です。お口の状態によっては1期治療だけで終わるケースもありますが、2期治療を行うことになるとトータルの治療期間は長くなるかもしれません。

小児矯正の費用・治療期間

小児矯正の費用イメージ

ここでは、小児矯正の種類ごとに費用や治療期間について解説します。

小児矯正の種類ごとの費用

種類ごとの費用は、以下のとおりです。

  • 可撤式矯正装置の種類:約3万〜80万円
  • 固定式矯正装置:約3~5万円
  • 顎外固定式装置:約30~40万円

装置によって費用は大きく変わります。小児矯正の費用は歯科医院によって異なりますが、20~50万円が相場です。

特に、可撤式矯正装置は種類が多いので、費用に幅があります。ムーシールドやリップバンパーなどは3~5万円が相場ですが、プレオルソなどは20〜40万円ほどかかることもあるでしょう。

お口の状態によっても最適な矯正装置が異なるため、一概にいくらとはいえません。詳しい費用について知りたい場合は、歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、インビザライン・ファーストの治療を50万円で行っております。あわせて口腔筋機能療法も行い、口周りの筋肉を鍛えて悪習癖の改善も目指します。

小児矯正の治療期間

小児矯正の治療期間は、1~3年程度が一般的です。永久歯が生え始める4~7歳に1期治療を開始し、永久歯が生え揃うまでは経過観察を行うことが多いでしょう。その後、永久歯が生え揃った段階で2期治療が必要かどうかを検討します。

ただし、お子さんのお口の状態によって治療期間は異なるので、歯並びが気になり始めたらまずは歯科医院を受診しましょう。

まとめ

遊ぶ子ども

小児矯正の装置にはさまざまな種類があり、可撤式矯正装置・固定式矯正装置・顎外固定式装置の3種類に大きく分類されます。お口の状態によって最適な矯正装置は異なるため、お子様の歯並びが気になった時点で早めに歯科医院を受診すると良いでしょう。

大人になっても矯正治療は可能ですが、顎の骨をコントロールして永久歯が生える位置を整えられるのは、成長期の子どもの時期だけです。早期に小児矯正を開始することで、将来的なお口のトラブルを回避し健康な歯を守れるでしょう。

むくデンタルクリニックは、保険診療だけでなく自由診療(成人・小児の矯正治療、ホワイトニング、インプラントなど)にも対応しています。ホームページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。