むくデンタルクリニック (むく歯科医院)

       
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2023.11.14

大人のための反対咬合矯正!健康な噛み合わせを取り戻す方法!

反対咬合の人

大人の反対咬合を矯正する場合、主に歯列矯正と外科手術が選択されます。歯並びが原因の反対咬合には歯列矯正、骨格が原因の反対咬合には外科手術を行うのが一般的です。

反対咬合を放置すると、顎関節症などさまざまなリスクを引き起こします。早めに治療することが重要といえるでしょう。

今回は、大人の反対咬合の矯正方法について解説します。

反対咬合とは?

反対咬合とは、正常な噛み合わせとは逆の状態です。受け口ともよばれますが、奥歯を噛んだときに下の前歯が上の前歯を覆う状態のことを指します。

反対咬合は下顎の動きに制限をかけ、顎そのものに継続的に負担をかけます。負担が積み重なると、顎関節症の原因となるでしょう。

反対咬合になる原因

反対咬合について考える女性

反対咬合の原因は、以下のとおりです。

歯の生え方に問題がある

歯の生え方に問題がある場合、反対咬合になる可能性があります。具体的には、上の前歯が生える際に、舌の影響を受けて歯が後ろ側に傾斜することがあります。

下の前歯が前方に傾斜した場合も、反対咬合になる可能性があるでしょう。

骨格に問題がある

遺伝的な原因で骨格に問題が生じ、反対咬合になっている場合もあります。遺伝的な要因が影響して、下顎が上顎よりも前方に成長することがあるのです。

歯並びに問題がなくても、顎の骨の位置などに問題があると、反対咬合を引き起こします。

歯の生え方・骨格どちらにも問題がある

歯の生え方の問題と骨格の問題が複合的に結びつくことで、反対咬合が生じる場合もあるでしょう。2つの原因が重なり合って、より複雑な反対咬合が形成されることもあるのです。

反対咬合は放置してはいけない?

反対咬合放置の注意点イメージ

前述したように、反対咬合は顎関節症の原因となるため早期に治療することが大切です。また、見た目や発音に影響するなど、さまざまなリスクが起こり得ます。

顎関節症になりやすい

反対咬合の場合、食事の際に顎の動きに違和感を覚えることがあります。反対咬合の程度によっては、正しく噛み合うように顎を無意識に動かして調整することがあるのです。

さらに、前歯で適切に食べ物を噛めないため、奥歯への依存度が増します。奥歯や顎、顎関節に大きな負担がかかるでしょう。

長期的に顎や関節に負荷がかかり続けると、顎関節症のリスクが高まります。

発音に影響が出やすい

反対咬合は、顎の位置や歯の噛み合わせの問題から、発音にも影響を及ぼすことが知られています。舌や唇の位置が適切でないため、空気が通常よりも多く漏れるでしょう。サ行やタ行などの発音に影響を与えることがあるのです。

滑舌も悪くなり、言葉がはっきりと伝わらないことが多くなります。日常生活におけるコミュニケーションがスムーズに行えない場合もあるでしょう。

胃腸に負担がかかりやすい

反対咬合の問題は、単なる歯の位置の問題に留まりません。日常の食事にも影響を及ぼすことがあります。

上下の前歯の噛み合わせが適切でないため、食べ物を正しく噛むことが難しくなる場合があるのです。食べ物を細かく噛み砕かず、大きな塊のままで飲み込むと胃腸への負担が増大します。

見た目に影響が出やすい

反対咬合は、下顎が前方に突出している状態です。顔が縦に長く見えることがあり、顎がしゃくれたような形になることもあります。

審美的な問題を引き起こすことが多く、コンプレックスになってご自身の容姿に自信を持てなくなることもあるでしょう。人間関係やコミュニケーション、自己評価にも影響を与える可能性があるため、反対咬合の治療は心の健康のためにも重要といえます。

大人になってからでも反対咬合の矯正は可能?

反対咬合の矯正

大人になってからでも、反対咬合の治療を行うことが可能です。

ただし、治療方法は、こどもの症例とは異なります。こどもの成長期に反対咬合の治療を行う場合、骨の成長を利用して矯正治療を進められます。より幅広い治療が可能になるでしょう。

下顎の骨の成長を完璧にコントロールできるわけではないことは、理解する必要があります。成長が止まる大人の時期まで治療を待ったほうがよい場合もあるでしょう。

大人になると、骨の成長はほとんど、または完全に止まります。大人の矯正治療では、下顎の骨の出っ張りをもとに戻すことや、骨格の歪みを修正することは難しいでしょう。

大人の反対咬合の矯正治療は可能ですが、治療方法や期待できる結果には限界があることを理解しなければなりません。歯科医師と相談しながら、最適な治療プランを選択することが重要です。

大人の反対咬合の矯正方法

反対咬合矯正の説明

大人の反対咬合の矯正方法は、主に歯列矯正と外科手術が存在します。それぞれの特徴や費用、治療期間などを確認しましょう。

歯列矯正

特に、歯の生え方が原因である歯槽性反対咬合や、前歯同士の接触により下顎が前に誘導される機能性反対咬合の場合、歯列矯正で効果的に治療できます。

骨格性の反対咬合でも、上の歯が引っ込んでおり下顎の大きさに問題がない場合や、下顎の成長が限定的である場合は、手術を伴わない矯正治療が選択されるのが一般的です。

日本人の場合、上顎が小さく下顎の過成長も顕著でない方が多いです。手術が必須となるケースは比較的少ないといわれています。

歯列矯正では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などが用いられます。

ワイヤー矯正は矯正力が強く効果的に治療できる一方、取り外せないため食事や歯磨きが制限されるでしょう。マウスピース矯正は目立ちにくく、食事や歯磨きの際は取り外せます。

しかし、マウスピースで動かせる距離は限られているため、重度の反対咬合には適さないことが多いです。

費用は、ワイヤー矯正は800,000~1,600,000円程度、マウスピース矯正は800,000~1,200,000円程度です。治療期間は、1年半~3年ほどかかるといわれています。

外科手術

歯槽性や機能性の反対咬合の場合は骨を切る必要はありませんが、骨格性反対咬合の方、特に下顎の骨が大きすぎる場合は、下顎の骨切り手術を行う場合があります。

歯列矯正は噛み合わせの調整に効果的ですが、下顎の骨の位置自体は変えられません。骨の位置が原因の場合、歯列矯正のみで解決することは難しいです。

また、下の前歯の骨は薄いので、大きく後ろに動かすことは難しいとされています。前歯を後ろに傾斜させて、目立たなくすることが多いです。

ただし、歯の傾斜で完全に反対咬合を改善することは難しいでしょう。過度な傾斜は不自然な仕上がりとなる可能性があるため、注意が必要です。

骨切りは、外科手術なので身体への負担が大きいです。骨格から治せるため、見た目が改善されやすく、小顔になることもあるでしょう。

費用は1,600,000円程度で、治療期間は2年ほどです。

まとめ

ポイントを話す女性

反対咬合は、多くの問題を引き起こす可能性があるといわれています。食事の際にうまく噛み合わないことで、消化器官への負担が増加する、顎関節への過度な負担によって顎関節症のリスクが上がるなど、さまざまな問題があるのです。

反対咬合はいわゆる受け口になるので、顔の印象にも影響を与えます。コンプレックスを持つ方も少なくありません。

発音や滑舌に与える影響も無視できないでしょう。正確な発音が難しくなることで、日常のコミュニケーションに支障をきたす可能性が高まります。

さまざまなリスクを考慮すると、反対咬合は早期に治療することが重要といえるでしょう。

大人の反対咬合を矯正する際は、歯列矯正と外科手術の2種類が用いられます。反対咬合の原因によって治療法が選択されますが、歯並びが原因の反対咬合は歯列矯正、骨格が原因の反対咬合は外科手術で治療します。