「歯列矯正中に1日マウスピースを外しても大丈夫?」「歯列矯正中に1日マウスピースをつけ忘れたらどんな影響があるの?」と疑問に思っている患者さまもいるでしょう。
今回は、歯列矯正中にマウスピースを1日外したときに受ける影響について詳しく解説します。マウスピースの装着忘れを防ぐポイントも伝えますので、ぜひご覧ください。
目次
矯正中にマウスピースを1日外すとどのような影響がある?
マウスピースをしていなかったのが1日だけであれば、大きな影響はありません。マウスピース矯正では、1日に0.03~0.04mmほど、1週間で0.25mmほど歯を動かします。
外していたのが1日だけであれば、ズレが生じたとしても0.03~0.04mmほどの小さいズレなので過度に心配する必要はありません。
ただし、小さなズレでも、ズレが起きていることに変わりはありません。治療計画どおりに歯を移動させられなくなる可能性もあるでしょう。治療計画どおりに進めるためには、マウスピースを1日20時間以上装着することが重要です。
また、マウスピースを外している時間が長ければ長いほど、歯が後戻りを起こす可能性が高まります。後戻りを起こすと、治療用のマウスピースを装着できなくなることもあるでしょう。
マウスピースを装着できなくなると、再製作が必要です。再製作には別途料金がかかることもあるでしょう。治療期間が延びるだけではなく出費が増えますので、マウスピースの装着忘れには注意しましょう。
マウスピースの装着忘れを防ぐ方法
マウスピース矯正では、マウスピースを外せるので食事やブラッシングをしやすいです。取り外せるのは大きなメリットですが、装着を忘れることがあるのはデメリットといえます。マウスピースの装着忘れを防ぐポイントは、以下のとおりです。
マウスピースの装着を習慣にする
マウスピースの装着忘れを防ぐためには、マウスピースの装着を習慣化すると良いでしょう。効率よく習慣化するためには、IF-THENルールを用いるのが効果的です。
IF-THENルールとは「Aをしたら、そのあとにはBをおこなう」といったルールを決めて実行し、習慣化していく方法です。例えば、Aをブラッシング、Bをマウスピースの装着とすると「ブラッシングをしたら、そのあとにはマウスピースを装着する」という流れです。
このように、IF-THENルールを活用してマウスピースをつければ、習慣化されるので装着忘れを防ぎやすくなるでしょう。
マウスピースの装着を忘れやすいシーンをメモしておく
人によってマウスピース装着を忘れやすいシーンは違います。そこで、マウスピースを装着し忘れたシーンをその都度メモで残しておきましょう。
メモしておくと、同じようなシーンでつけ忘れそうになっても、マウスピースの装着を思い出すきっかけになります。ご自身がどのタイミングで忘れやすいのか理解しておけば、予防策を考えられるでしょう。
予備のマウスピースを持ち歩く
マウスピースをつけ忘れて外出すると、その日1日マウスピースをつけられなくなります。そのため、バッグに予備のマウスピースを入れて常に持ち歩きましょう。
予備のマウスピースは1ステップ前のもの、もしくは1ステップ先のものが良いでしょう。常に持ち歩くのは邪魔になって抵抗があるかもしれませんが、旅行など長期間自宅に戻らないときの荷物には入れるようにすると、安心して旅行を楽しめます。
予備のマウスピースは装着を忘れたときだけではなく、マウスピースを紛失したときや破損させたときにも役立ちます。1つ前のマウスピースはすぐに捨てずに保管しておき、予備として持ち歩きましょう。
スマートフォンのリマインド機能やアラームを使う
マウスピースの装着忘れをしやすい患者さまは、スマートフォンのリマインド機能やアラームを使いましょう。食事が終わるタイミングや家を出るタイミング、そして睡眠前など、装着できているか確認すべきタイミングに通知がくるよう設定しておいてください。
マウスピースをつけ忘れやすいタイミングは人によってさまざまなので、ご自身が忘れやすい時間にセットしておくことが重要です。
マウスピース矯正用の管理アプリを使用する
マウスピースの装着忘れを防ぐためには、マウスピース矯正用の管理アプリを使用するのも良いでしょう。
マウスピースを再装着するタイミングや、交換時期を知らせてくれる機能があるアプリが多いです。マウスピースをどれくらいの時間装着したのか確認できるものもあります。
無料のアプリなどさまざまなものがありますので、患者さまが使いやすいアプリを使用してください。写真を撮影して登録することが可能なアプリの場合、歯並びが変わっていく様子も確認できます。マウスピース矯正へのモチベーションを維持することにもつながるでしょう。
携帯用の歯ブラシセットや歯みがきシートを持ち歩く
マウスピース矯正では、食事をした後にはブラッシングなどの口腔ケアをしてからマウスピースを再装着しなければなりません。そのため、外食後にブラッシングできずにマウスピースの装着ができなかったり、ブラッシング後に装着しようとして忘れたりすることが多いです。
外出していてもすぐにブラッシングなどの口腔ケアができるように、携帯用の歯ブラシセットや歯みがきシートを持ち歩きましょう。口腔ケアができればすぐにマウスピースの装着ができるので、装着忘れを防止できます。
矯正中にマウスピースを1日外したときの対処法
歯列矯正中にマウスピースを1日外したときの対処法は、以下のとおりです。
できるだけ早くマウスピースを装着する
マウスピースを1日外した程度であれば、上述したとおり大きな影響はありません。
しかし、マウスピース矯正ではマウスピースを装着している時間だけ、歯を移動させられます。そのため、少しでも後戻りを防いでリカバリーするためにも、できるだけ早くマウスピースを装着してください。
装着時間が20時間未満になる日が続かないよう、翌日からは長時間装着することが重要です。
歯科医師へ相談する
マウスピースを1日外していただけでも、後戻りをおこす可能性があります。後戻りをおこしてマウスピースを装着できなくなったら、歯科医師へ相談しましょう。また、マウスピースを外していた日があったことを報告するようにしてください。
治療計画どおりに歯が動いておらず、1日マウスピースを外していたことを報告しなかった場合は他の原因を探すことになるからです。
マウスピースの交換日を1日ずらす
マウスピースを1日外した程度でしたら、過度に心配するようなズレはおきていないでしょう。
ただし、小さなズレとはいっても治療計画とのズレは生じています。そこで、マウスピース交換までの日数を1日追加してみてください。
マウスピースの交換日をずらす場合は、歯科医師へ報告するのを忘れないようにしてください。勝手に交換時期を変えると、歯科医師と患者さまの認識がずれて理想の仕上がりにならない可能性があります。
まとめ
歯列矯正中にマウスピースを1日外したくらいなら、ほとんど悪影響はありませんのでご安心ください。1日マウスピースを外していたときは、できるだけ早くマウスピースを装着しましょう。
注意する点としては、1日マウスピースを外しただけでも小さなズレは起きているということです。ズレが大きくなると、マウスピースを装着できなくなる可能性もあるでしょう。
マウスピースを装着できなくなると再製作が必要になります。再製作には追加で料金がかかり、治療日数も延びるでしょう。
マウスピースの装着を忘れると、治療計画と歯の動きにずれが生じたり、後戻りが起きたりする可能性があります。マウスピースの装着は忘れないように注意してください。