
インビザライン治療には、矯正器具のマウスピースを取り外しできるメリットがあります。食事や歯磨きを普段どおり行えるので、日常生活への影響が少ないことから人気を集めています。
しかし、マウスピースの装着時間や治療中のトラブルなどによって、治療期間が延長になるケースがあることをご存じでしょうか。インビザライン治療を予定していた期間で終えるには、マウスピースの管理やセルフケアを徹底することが欠かせません。
この記事では、インビザラインの治療期間が延長する原因について解説します。予定通り終わらせるために大切なポイントもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザラインの治療期間は?

インビザラインの治療期間は、治療範囲や歯並びの乱れの程度によって異なります。平均的な治療期間は、全体矯正で約2~3年、部分矯正で数か月~1年程度です。部分矯正は気になる部分のみを治療するため、全体矯正に比べると治療期間が短い傾向があります。
インビザラインでは、段階ごとにマウスピースを交換しながら少しずつ歯を動かし、歯並びを整えていきます。マウスピース1枚で歯を動かせる範囲が最大で約0.25mmのため、治療期間が長いのです。
ワイヤー矯正の治療期間も全体矯正で約2~3年かかるため、インビザラインの矯正期間が特別長いわけではありません。
しかし、インビザライン矯正の場合、患者さまご自身でマウスピースを管理して治療を進める必要があります。治療期間の過ごし方やマウスピースの扱い方などによっては、治療期間が延長される可能性があるでしょう。
また、矯正期間の後は、インビザラインで整えた歯並びを安定させるための保定期間が必要です。基本的に、保定期間は矯正期間と同程度必要といわれています。
インビザラインの治療にかかる期間は、お口の状態によって異なります。ご自身の場合、どのくらいの期間になるのか知りたい方は歯科医院にご相談ください。
インビザラインの治療期間が延長になるケース

治療前の精密検査やシミュレーションによって、事前に治療期間や費用について把握できるのがインビザラインの特徴です。
しかし、治療期間は、患者さまがマウスピースをきちんと管理できていることを前提に算出されます。そのため、治療中の過ごし方によっては、予定していた期間では治療が終わらない可能性があります。
インビザラインの治療期間が延長になるケースは、以下のとおりです。
マウスピースの装着時間が短い
インビザラインは、マウスピースを装着することで歯に力を加えて動かします。そのため、マウスピースの装着時間が短くなればなるほど歯が動かず、治療期間の延長に繋がります。
また、歯の移動が不十分だと思ったような効果が得られず、インビザライン治療が失敗するかもしれません。歯科医師に指示された装着時間をしっかり守り、計画通りに治療を進められるようにしましょう。
マウスピースを破損・紛失した
インビザライン治療中は、食事や歯磨きの際にマウスピースを外さなければいけません。マウスピースを外した際の保管方法を誤ると、マウスピースを破損・紛失することがあります。
インビザラインのマウスピースにトラブルがあった場合、新しいマウスピースを作り直さなければならないかもしれません。新しいマウスピースが完成するまでの間は治療が進まないため、予定していた期間よりも延長する可能性が高いでしょう。
虫歯や歯周病になった
インビザラインは、ワイヤー矯正に比べると虫歯や歯周病になりにくいといわれています。マウスピースを取り外しできるため、歯磨きなどのセルフケアをしやすいためです。
しかし、インビザライン治療中のセルフケアが不十分な場合、汚れが蓄積して細菌が繁殖し、虫歯や歯周病になる恐れがあります。インビザライン中に虫歯や歯周病になると、優先的に治療を行うため予定していた期間よりも延長する可能性があるのです。
また、重度の虫歯の治療で歯の形が変わった場合、マウスピースが適合しなくなり、作り直しが必要になる場合もあります。マウスピースの作り直しが必要になると、治療期間が延びるうえ追加費用がかかることもあるため注意が必要です。
リファインメントを行った
インビザラインは、治療前に立てた計画に沿って治療を進めます。
しかし、実際に治療を進めると計画通りに歯が動かない場合があります。歯が想定外の動きをした場合、治療計画と実際の歯の動きのズレを修正するためにマウスピースを追加することを、リファインメントといいます。1回も行わない方もいれば、2~3回行う方もいます。
リファインメントを行うと、歯のズレを治す期間と新しいマウスピースが到着するまでの期間が発生します。そのため、予定していた期間よりも長くなるのです。
リファインメントをすると治療期間が長引きますが、歯並びや噛み合わせを微調整することで、より理想的な口元に近づけられます。必要な工程と捉え、前向きに治療を続けましょう。
定期的に通院しなかった
基本的には患者さまご自身でマウスピースを交換してインビザライン治療を進めますが、2~3か月に1回の頻度で定期検診を受ける必要があります。
定期検診では、マウスピースの不具合やお口の中のトラブルの有無、治療の経過などを確認します。歯並びや噛み合わせのトラブル、虫歯・歯周病などは、患者さまご自身では気付きにくいです。
定期的に歯科医師のチェックを受けることで、問題を早期発見・改善し、スムーズに治療を進められるでしょう。
歯科検診を怠りトラブルの発見が遅れると、治療期間が延長する可能性があります。そのため、歯科医師に指定された頻度で、定期的に歯科医院に通うことが大切です。
予定どおりにインビザライン矯正を終わらせる方法

インビザラインを予定通りの期間で終わらせるためには、以下のポイントに気を付けるとよいでしょう。
マウスピースの装着時間を守る
インビザラインでは、マウスピースを1日20〜22時間以上装着する必要があります。治療を予定通り終わらせるためには、装着時間を厳守することが欠かせません。
マウスピースを自由に取り外しできることがインビザラインのメリットですが、自己管理ができていなければ装着時間が短くなりやすいです。装着時間が短くなると、歯の移動が不十分になり治療期間が延長する可能性があります。
マウスピースの着脱回数を極力減らし、食事や歯磨き以外の時間はマウスピースを装着しましょう。
マウスピースを正しく装着する
インビザラインはマウスピースの形通りに歯を移動させるため、マウスピースを正しく装着することが重要です。そのため、着脱方法にも気を付ける必要があります。
片手で無理な力をかけたり、噛んで装着したりすると、マウスピースが変形・破損する恐れがあります。必ず両手でマウスピースを持ち、奥歯から前歯の順に装着してください。
また、新しいマウスピースを装着する際は浮きやすいので、チューイーを使用してしっかりフィットさせるようにしましょう。マウスピースを歯と隙間なく密着させることで、効率的に歯を移動させられられます。
マウスピースの管理を徹底する
マウスピースを破損・紛失すると、作り直しが必要になることがあります。新しいマウスピースが完成するまでの期間は1か月程度ですが、その間は治療が進められません。
外したマウスピースをポケットに入れたり紙で包んだりすると、外からの衝撃で破損・変形したり紛失したりする可能性が高くなります。外したマウスピースは専用のケースに入れて保管することが大切です。
セルフケアをしっかりする
虫歯や歯周病になると、優先的に治療が必要になり矯正期間が延長する可能性があります。毎日の歯磨きによるセルフケアを徹底し、磨き残しを失くしましょう。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスなどを使用するとより効果的に汚れを除去できます。
外出先などでも、食後はなるべく歯磨きをしましょう。どうしても歯磨きが難しい場合は、水やマウスウォッシュでうがいするだけでもある程度の汚れを洗い流せます。
また、マウスピースに汚れが付着したまま長時間過ごしていると、菌が繁殖して虫歯や歯周病になる場合があります。マウスピースは外す度に流水で洗い、清潔に保ちましょう。
マウスピースの洗浄は、基本的には流水で洗うだけで問題ありません。臭いや汚れが気になる場合は、マウスピース用の洗浄剤を使用してください。
定期的な通院を欠かさない
インビザラインの治療をスムーズに進めるためには、定期的な通院が欠かせません。
インビザライン治療中、患者さまは問題がないと思っていても、トラブルが起きていることがあります。歯の動きが悪くリファインメントが必要になっていたり、虫歯・歯周病が発生していたりすることなどがトラブルとして多いです。
定期的に通院していれば、トラブルを早期に発見・対処できます。定期的な通院を怠りトラブルに気付くのが遅くなると、治療期間が延長する可能性があるでしょう。
歯科医師の指定した頻度で、きちんと通院することが大切です。
まとめ

インビザラインの治療期間は、全体矯正で約2~3年、部分矯正で数か月~1年程度です。
しかし、治療中の過ごし方によっては、治療期間が延長することがあります。予定した期間でインビザライン治療を終えるには、マウスピースの管理を徹底し、正しく保管することが大切です。
また、虫歯や歯周病などのトラブルも治療期間が延長する原因ですので、定期的な通院も欠かせません。
インビザライン治療について詳しく知りたい場合は、当院までお気軽にご相談ください。
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