歯並びが悪くなったと感じたり、歯ぎしりをしていると指摘されたりしたことはありませんか。歯並びが悪くなったのは、歯ぎしりが原因かもしれません。
本記事では、歯並びと歯ぎしりの関係性、歯ぎしりの種類や原因、改善・治療・予防する方法について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
歯並びと歯ぎしりの関係性
歯ぎしりと歯並びには深い関係性があります。歯ぎしりによって強い力がかかるため、歯が移動し、歯並びが悪化するのです。
歯ぎしりは、就寝中に無意識で歯をこすり合わせたり、噛みしめたりする行為です。歯ぎしりの際は、体重の2倍から5倍の重さが歯にかかっていると言われています。
歯に強い力をかけ続けると、歯並びに悪影響を与えるだけではなく噛み合わせが悪くなる可能性があります。また、歯がすり減ったり、欠けたりする原因にもなるでしょう。
噛み合わせが悪くなれば歯並びがさらに悪くなり、あごの骨にも負担がかかるかもしれません。
歯ぎしりの種類
歯ぎしりには以下の3種類があります。
- グラインディング
- クレンチング
- タッピング
それぞれ解説します。
グラインディング
グラインディングは、上下の歯をこすり合わせる歯ぎしりです。就寝中に無意識で歯をこすり合わせるため、ギリギリとした不快な音が出ます。本人は気づいていないことも多いですが、特徴的な音から家族に指摘される場合があります。
上下の歯を強い力でこすり合わせるため、歯が欠けたり詰め物が取れてしまったりするかもしれません。
クレンチング
クレンチングは、噛みしめる歯ぎしりです。自分の体重と同程度の力が歯にかかっている場合もあります。
強い力で噛みしめるため、歯にひびが入ったり、割れたりする原因になります。また、歯の詰め物が壊れる原因にもなるでしょう。
グラインディングのように音は出ませんが、あごの骨と筋肉に負担がかかり、顎関節症になる可能性もあります。また、首や肩の疲れにもつながるでしょう。
仕事やスマホに集中している際に無意識で噛みしめていることが多いです。噛みしめを防止するため、上下の歯をできるだけ合わせないように意識するとよいでしょう。
タッピング
タッピングは、上下の歯をカチカチと当てる歯ぎしりです。グラインディングやクレンチングに比べると歯にかかる力が少ないため、歯並びへの影響は少ないと言われています。
しかし、他の2種類の歯ぎしりを誘発する恐れがあるため、放置すべきではありません。
歯ぎしりの原因
自分の歯や体にダメージを与える歯ぎしりは、できるだけ早く改善すべきでしょう。原因を知れば、改善に役立てられるかもしれません。
歯ぎしりの原因は、以下の3つです。
- ストレス
- 噛み合わせの悪さ
- 生活習慣
それぞれ解説します。
ストレス
歯ぎしりのメカニズムは明確に分かっていませんが、ストレスが一番の原因だと言われています。ストレスがたまると自律神経が乱れるため、就寝中に無意識で歯ぎしりをする場合があります。
深呼吸や適度な運動、趣味によって、ストレスを減らしましょう。
また、スポーツをしている時や何かに集中している時に、無意識で歯ぎしりをしたり、食いしばったりすることがあります。上下の歯を噛み合わせないように、日頃から意識するとよいでしょう。
噛み合わせの悪さ
噛み合わせの悪さも歯ぎしりの原因です。うまく噛み合わせようと無意識に調整するため、歯ぎしりにつながる場合があります。
生活習慣
アルコールやカフェインの摂取、喫煙などによって睡眠が浅くなると、歯ぎしりにつながる可能性があります。眠りを深くして歯ぎしりを抑えるためには、興奮作用のあるアルコールやカフェイン、喫煙はできるだけ控えましょう。
歯ぎしりを改善する方法
歯ぎしりを改善する方法は、以下の2つです。
- 歯列矯正をする
- 日中に噛みしめる癖をなくす
それぞれ解説します。
歯列矯正をする
歯ぎしりの原因が歯並びの場合、歯列矯正で歯ぎしりを改善できます。歯列矯正で歯並びを整えると、それぞれの歯にバランス良く力がかかるようになるため、歯ぎしりが改善するでしょう。
日中に噛みしめる癖をなくす
就寝中の歯ぎしりは無意識に行っているため、自分の意志で止められません。
しかし、日中に噛みしめる癖がある場合は、意識して抑えましょう。上下の歯をできるだけ合わせないようにするのがコツです。
集中しているときやイライラしているとき、スポーツのときなどに、噛みしめる癖がある場合は意識して減らしましょう。また、頬杖をつくと上下の歯が合わさり、噛みしめにつながるため控えるとよいでしょう。
歯ぎしりを治療する方法
歯ぎしりを治療したい場合は、歯科医院を受診しましょう。歯科医師や歯科衛生士が歯を見れば、歯ぎしりの程度や歯並びへの影響が分かります。どのような治療がよいかも診断できるため、気になったら歯科医院に相談してみましょう。
歯ぎしりを治療する方法は、以下の3つです。
- マウスピース
- 歯列矯正
- 薬物療法
それぞれ解説します。
マウスピース
就寝時に、歯ぎしり専用のマウスピースを使うとよいでしょう。マウスピースを使えば、歯ぎしりによる歯やあごへのダメージを抑えられます。歯科医院で型を取ってマウスピースを作製したら、就寝時に毎回使用しましょう。
マウスピースは、上あごまたは下あごのいずれかに装着します。マウスピースを装着すると、歯だけではなく、被せ物や詰め物を守ることも可能でしょう。
長く使用すると、歯ぎしりによってマウスピースに穴が開いたり、歯に当たる部分が薄くなったりします。その場合は歯科医院で再度作製しましょう。
通院の際にマウスピースを持参し、歯科医師や歯科衛生士に状態を見てもらうとよいタイミングで作り直してもらえます。
歯列矯正
歯列矯正は、歯ぎしりの治療に効果があります。歯並びや噛み合わせが原因で歯ぎしりする場合に選択されるでしょう。
マウスピースを使用する歯科矯正はワイヤー矯正よりも目立ちにくいため、多くの方に選ばれています。また、歯科矯正用のマウスピースは自分で取り外しができるため、衛生的に使えます。
ただし、ワイヤー矯正よりも適応症例の幅が狭いです。重度の歯並びの乱れの場合、ワイヤー矯正のほうがスムーズに治療が進むこともあるでしょう。
ご自身の希望や歯並びを考慮しながら、歯科医師と相談して矯正方法を決定してください。
薬物療法
歯ぎしりを抑えるために、筋肉の緊張を抑える薬を服用する方法もあります。服薬すれば、口を開け閉めする筋肉(咀嚼筋:そしゃくきん)の働きを穏やかにできます。
しかし、副作用などの問題により、長期間の利用は難しいかもしれません。歯科医院で相談しましょう。
歯ぎしりを予防する方法
歯ぎしりを予防する方法は、以下の2つです。
- ストレス解消
- 生活習慣の見直し
それぞれ解説します。
ストレス解消
ストレスが歯ぎしりの原因になっている場合、ストレスを減らしたり、リラックスしたりすると効果的です。リラックスするためには、深呼吸やヨガ、瞑想がよいでしょう。
趣味や適度な運動を楽しんで、精神的な緊張感を和らげてください。
生活習慣の見直し
カフェインやアルコールの摂取を控え、禁煙すると歯ぎしりの予防につながります。神経の興奮を抑えて眠りが深くなるため、歯ぎしりを抑えられるでしょう。
歯ぎしりを改善して歯並びも治すことが大切
歯並びの悪さが歯ぎしりの原因になることがありますが、歯ぎしりを改善したあとは歯並びを整えることも大切です。悪い歯並びのまま生活していると、歯ぎしりが再発する可能性があるでしょう。
また、歯並びが乱れていると虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯と歯が重なっている部分などに磨き残しが生じやすいため、口腔トラブルにつながることがあるのです。
歯並びの悪さも放置せず、適切に治療すべきと言えるでしょう。
まとめ
今回は、歯並びと歯ぎしりの関係性、歯ぎしりの種類や原因、改善・治療・予防方法について解説しました。
歯ぎしりには、上下の歯をこすり合わせるグラインディング、歯を噛みしめるクレンチング、上下の歯をカチカチと当てるタッピングの3種類があり、いずれも歯に悪影響を及ぼします。また、歯並びの悪化だけでなく、歯が欠けたりすり減ったりする原因にもなります。
歯ぎしりは長い時間をかけて、少しずつ歯に悪影響を与えます。健康的で美しい歯を長く保つためには、歯列矯正などの効果的な方法により歯ぎしりを減らしましょう。
むくデンタルクリニックは、保険診療だけでなく自由診療(成人・小児の矯正治療、ホワイトニング、インプラントなど)にも対応しています。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。