むくデンタルクリニック (むく歯科医院)

       
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2024.09.10

顎関節症と歯並びには相関性あり!どちらを先に治療するべき?

顎関節症イメージ

お口のトラブルといえばむし歯や歯周病を思い浮かべる方も多いと思いますが、最近では顎関節症で悩んでいる方も増えてきています。口を大きく開けた時に痛みを感じる、口を開けた時に音がする、口を大きく開けられないなど、顎関節症の症状はさまざまです。

顎関節症の原因は複数の要因が組み合わさっていますが、歯並びを整えることでこの悩みは解決できるのでしょうか。

今回は、顎関節症の原因や顎関節症と歯並びの関係性、放置するリスク、治療方法などについて詳しく解説します。

顎関節症の原因

歯ぎしりをしている女性

顎関節は、耳の穴から約2cm前方に位置します。指で触れると動きを感じることができるでしょう。顎関節症とは、顎の関節部分に痛みや不快感を引き起こす疾患のことです。

顎関節症を発症すると、口を開けるときに痛んだり、口の開閉時に顎関節から音が鳴ったり、さまざまな症状が現れます。また、顎関節内にある関節円板がずれると、関節の動きが妨げられて顎関節と顎を動かす筋肉に痛みが生じます。

男性より女性に多く、20代〜50代で発症することが多いのも顎関節症の特徴です。

顎関節症の原因は一つに絞ることができず、複数の原因が組み合わさって起こる多因子性の疾患だと考えられています。顎関節症の主な原因には、以下のものが挙げられます。

  • TCH(上下歯列接触癖)
  • 頬杖をつく
  • 片方の歯で咀嚼する
  • 猫背
  • 歯ぎしり
  • ストレス
  • 外傷
  • 特定のスポーツや楽器演奏

上記の原因が複数み合わされることによって顎関節症を発症するとされていますが、顎関節症の患者さまの多くにTCHがあるといわれています。TCHとは、口を閉じている時に上下の歯が常に触れる癖のことです。

TCHを意識して減らすだけで顎関節症が改善する方が多いことから、顎関節症の最大の要因と考えられています。

例えば、緊張を強いられる際や、猫背でスマホやPCの画面を見る際にも、無意識に上下の歯が接触することがあります。無意識のうちに上下の歯の接触が繰り返されて負担が蓄積されると、顎関節症を発症するのです。

さまざまな要因が重なり顎関節症は発症しますが、口の開閉時に異音が鳴るものの痛みが伴わない場合などは、積極的な治療は必要ないでしょう。痛みが出ている場合などには、歯科医院を受診して治療してください。

顎関節症と歯並びの関係性

顎関節症イメージ

顎関節症と歯並びは密接に関連しています。歯並びや噛み合わせが悪い場合、噛む力のバランスが崩れ、左右どちらかで噛む癖がつきやすいです。

また、歯並びや噛み合わせが悪いと、上下の歯を常に接触させるTCHや歯ぎしり・食いしばりをする可能性が高まります。TCHや歯ぎしり・食いしばりは顎関節に負担をかけ、顎関節症を引き起こしやすくするとされているので注意が必要です。

TCHは日中の集中しているタイミングに、歯ぎしりや食いしばりは就寝中に行われることが多いです。患者さまご自身ではなかなか気づきにくいのが特徴です。

TCHや歯ぎしり・食いしばりは、顎関節だけでなく歯にも大きな負担をかけます。そのため、歯の破損や知覚過敏、頭痛などのさまざまなトラブルの原因にもなるでしょう。

顎関節症を防ぐためには、歯並びや噛み合わせを整えて悪習癖が引き起こされるリスクを軽減することが重要です。すでに歯ぎしりや食いしばりがある場合は、就寝時はナイトガードを使用して歯への負担を減らすことも効果的でしょう。

歯並びを治療すると顎関節症は治る?

歯列模型

顎関節症は、歯並びを治療することで治るケースと、歯並びの治療だけでは治らないケースがあります。以下で、それぞれの理由と原因について解説します。

歯列矯正で改善されるケース

歯列矯正で歯の噛み合わせを整えれば顎関節にかかる負担を減らすことができ、顎関節症の症状も改善できます。歯列矯正で歯並びが改善されると上下の歯が均等に接触するため、特定の歯や顎関節、周囲の筋肉への負担を軽減できるのです。

歯列矯正で改善できないケース

咬み合わせが悪い人が、必ず顎関節症になるわけではありません。歯並びや噛み合わせが整っている方でも、顎関節症になることがあるでしょう。

顎関節症の原因が歯並びや嚙み合わせ以外にある場合、歯列矯正だけでは改善できません。

顎関節症の原因を特定するには、適切な検査や診断を受ける必要があります。そのため、違和感を覚えたらなるべく早く歯科医院を受診しましょう。

顎関節症を放置するリスク

顎関節症を放置するリスクイメージ

「放置していたら顎関節症が治った」と思われるケースがありますが、筋肉の炎症が治まることで痛みが緩和されただけで、顎の状態が元に戻ったわけではありません。顎関節症を放置すると顎の局部的な炎症にとどまらず、進行して全身に影響を及ぼす恐れがあります。

下記では、顎関節症を放置した場合のリスクについてまとめました。

生活に支障をきたす

顎関節症が悪化すると、顎の動きが制限されて口が開けにくくなります。放置していると症状が進行し、日常生活に支障をきたす恐れがあるでしょう。

また、顎の痛みが増すと食事や会話が困難になる可能性も高く、痛みや音でストレスが溜まります。痛みや口の開きが悪くなることが原因で食事を思うように摂れなければ、栄養バランスの乱れや消化不良を引き起こすでしょう。

痛みや不快感が慢性化すれば、生活に支障をきたすので注意が必要です。

頭痛や耳鳴り

顎関節症を放置して症状が進行すると、顎だけでなく首の痛みや頭痛、耳鳴りなど全身の症状につながる可能性があります。顎関節は頭部や耳に近いため、不具合を起こすと耳鳴りや眩暈を引き起こしたり、耳に痛みや不快感を覚えたりすることがあるでしょう。

また、顎関節症を放置すると、噛む時に使用する筋肉の上に通っている視神経に異常が出ます。そのため、目の奥が痛んだり、違和感を覚えたりことも考えられるでしょう。

適切な治療を受けることで、顎関節症による症状は改善できます。顎関節症かもしれないと思った場合は、放置するのではなくまずはかかりつけの歯科医師に相談しましょう。

顎関節症の治療方法

顎関節症について相談している患者

治療方法には個人差がありますが、一般的には以下の方法が用いられます。

  • 矯正治療
  • 薬物療法
  • ストレス管理
  • ナイトガードの使用

噛み合わせの悪さが顎関節症の原因になっている場合は、矯正治療を行います。正しい噛み合わせにすることで、顎関節にかかる負担を軽減し顎関節症を改善できるでしょう。

また、顎関節症の原因になる歯ぎしりや食いしばり、TCHを引き起こすストレスを軽減するよう心がけることも大切です。ストレスや緊張を和らげるためには、リラックスするための習慣を取り入れるようにしましょう。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、就寝時にナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着し、負担を軽減するのも効果的でしょう。上記の方法に加え、頬杖をやめたり咀嚼が左右どちらかに偏らないようにしたりするなど、生活習慣の改善も重要です。

まとめ

顎関節症が治りストレスフリーになった男性

この記事では、顎関節症と歯並びの関係性や顎関節症が引き起こすリスクについて紹介しました。顎関節症は一つの原因で発症するのではなく、複数の要因が組み合わさっているケースが多いです。

歯並びや噛み合わせが悪いと、顎関節症につながる様々な原因を引き起こしやすいでしょう。全身に影響を及ぼす恐れもあるので注意が必要です。

顎関節症にお悩みの方は、日常生活の改善はもちろん、歯列矯正も検討してみてはいかがでしょうか。

むくデンタルクリニックは、保険診療だけでなく自由診療(成人・小児の矯正治療、ホワイトニング、インプラントなど)にも対応しています。ホームページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。